猫のゆりかご
生まれ変わるということ。


極楽は本当にあるのですか。
ありますよ。
どうしたらそこへ行けるのですか。
ほとんどの方は極楽へは行けません。
あなたのような偉いお坊さまなら行けるんですよね。
私でも行けません。
じゃあ、人は死ぬとどうなるのですか。
生まれ変わるのです。

なぜ早すぎる死を遂げる人がいるのですか。
その人には次の世でしなければならない大切な役割が与えられているからですよ。


インドでも尊敬されているという日本人のお坊さまの言葉です。
侑和の誕生後、読んだエッセイ本の中に記されていました。


「早く次の子を。」
「若いんだから次頑張って。」
これを読むまでは、侑和を亡くした後言われた言葉の数々に反発しか覚えませんでした。

息子はもういないのだ。
たとえ次の子ができたとしても、その子は侑和ではない。
私は赤ちゃんがほしいのではない、侑和がほしいのだと。

しかし読後、
人は本当に生まれ変わるのかもしれない。
だとしたら、もう一度侑和に私のおなかの中に帰ってきてほしい。
もしかして侑和はもう別の人のおなかの中で大切に育てられているかもしれない。
でも、息子はもう一度私のおなかに戻ってきてくれると信じたい。
そう考えるようになりました。

その後、家族で行った戸田の海岸でその思いを夫に伝えました。

侑和の弟か妹がほしい。
次の子は侑和ではない。それは分かっている。
でも、人は生まれ変わるものだという。
もし本当に生まれ変わりというものがあるのだとしたら、
侑和にもう一度私たちの子として戻ってきてほしい。
でももう一人欲しいなんて望んだら侑和は怒るかな。
僕をちゃんと生んでくれなかったのにって。

侑和の死後、私が初めて話す第二子の話に夫はこう答えました。

無理に頑張らず自然に任せればいいんじゃないか。
怒ってなかったらきっと赤ちゃん来てくれるよ。


息子は私のことを怒っているかもしれないと今でも考えます。
しかし、同時にこう言っているのではないかとも思います。

ひどいなぁお母さん。僕そんな悪い子じゃないよ。



親のエゴかもしれません。
でも今は、友人たちが励ましで言ってくれる
「お母さんのこと嫌いなわけないよ。」
という言葉にすがりついて生きています。




[menu。] [ごあいさつ。] [profile。] [子どもたちのこと。] [blog。] [photo。]